中岡慎太郎


【幕末タレント名鑑 「中岡慎太郎」】

名前:中岡慎太郎(なかおかしんたろう)
所属:土佐勤王党→陸援隊
出身地:土佐国安芸郡北川郷(高知県安芸郡北川村)

生年月日:天保9年4月13日(1838年5月6日)
没年月日:慶応3年11月17日(1867年12月12日)
思想:尊王・攘夷→倒幕


第10回は、倒幕のキューピット役、中岡慎太郎さんです!

江戸幕府が滅びる大きな要因となった「薩長同盟」は、“坂本龍馬が仲介役をした”ということが一般的に知られています。
しかし、実はこの同盟の発案者は慎太郎さんだったとも言われているんです!

土佐藩安芸郡の大庄屋の長男として生まれた慎太郎さんは、幼少期から超がつくほどの秀才だったそうです。
4歳から寺で勉強を始めて、14歳の頃には塾で先生の代役を務めるほどだったとか。
その後、安政4年(1857年)に、武市半平太(たけちはんぺいた)の道場で剣術を学び始めます。
文久元年(1861年)には、半平太が結成した尊王攘夷グループ「土佐勤王党(とさきんのうとう)」の血盟書にサインをして本格的に志士活動を開始しました。

江戸幕府に恩のある土佐藩も幕末の混乱で大いに揺れ動き、佐幕派の参政・吉田東洋が暗殺されると、藩の主導権は一気に土佐勤王党が握ることになりました。
江戸に上って、土佐の大殿様・山内容堂(やまうちようどう)に謁見したり、長州藩の久坂玄瑞(くさかげんずい)などと信州松代藩の佐久間象山と会談するなど、この時の慎太郎さんの志士活動は絶好調でした。

ところが、文久3年(1863年)に起きた「八月十八日の政変」で形勢は大逆転!
公武合体派(朝廷×幕府の政治体制が目標)の会津藩や薩摩藩が京都でクーデターを起こし、長州藩を始めとする尊王攘夷派が京都から追放され、ブームが去ってしまったのです。
もちろんその流れで土佐藩でも尊王攘夷派の大弾圧がスタート!
土佐勤王党のメンバーは続々と捕まり、切腹や斬首など重い刑に処されてしまったんです。
この時、慎太郎さんは素早く脱藩し長州藩へ亡命、何とか難を逃れました。

亡命後は、ほとんど長州藩士のように活動!
京都奪還を計った「禁門の変」や、英・仏・米・蘭の4カ国の艦隊と戦った「下関戦争」も長州側で参戦しています。
これに前後して、所属していた土佐勤王党や、お世話になっている長州藩の尊王攘夷派の志士たちは続々と粛清されていきました。

「こんなことをしている間に、日本は外敵に奪われてしまう・・・」と追い詰められた慎太郎さんがたどり着いたのが『倒幕』!
犬猿の仲であった長州藩と薩摩藩を結び付けて、武力によって江戸幕府を倒すことを目指したんです。
薩摩藩や長州藩の間を飛び回る慎太郎さん!
京都から追放された公家・三条実美(さんじょうさねとみ)と随臣・土方久元(ひじかたひさもと)や、亀山社中を結成した坂本龍馬を巻き込み薩長の会談にこぎつけます!
(一回目は西郷隆盛のドタキャンで中止になり、桂小五郎が激怒して両者は非常に気まずい関係になってしまったけども、再び間を飛び回って何とか二回目の会談にこぎつけ・・・)
慶応2年1月21日(1866年3月7日)、「薩長同盟」が結ばれることとなりました!

慶応3年2月(1867年3月)、坂本龍馬と共に土佐藩から脱藩の罪を許され、同年5月には「薩土密約」を結ぶことに成功します。
さらに同年6月には、長州藩の「奇兵隊」を参考にして尊王攘夷グループの「陸援隊」を結成!
倒幕へ向けた準備を着々と行っていきました。
追い詰められた幕府は、慶応3年10月14日(1867年11月9日)に「大政奉還」を行い、朝廷へ政権を返上しました。
これによって、約260年続いた江戸幕府は事実上滅亡したと言われています。

慎太郎さんの目標とした倒幕はとりあえず成し遂げたのですが、実はこの滅亡は思い描いた倒幕とは少々違いました。
慎太郎さんの理想はあくまで“武力倒幕”!
幕府と決戦をして滅亡させることが本意だったといいます。
その慎太郎さんの倒幕論と違った意見を持っていたのが同郷の坂本龍馬でした。
龍馬は、幕府を含めた雄藩(有力な藩)による連合体制を理想としたといいます。

そういった二人の倒幕論を語り合おうとしたのか、慶応3年11月15日(1867年12月10日)に京都四条の近江屋で会談しました。
この時、数名の刺客が侵入して2人は襲撃されました。
龍馬はその場で亡くなり、瀕死の重傷を負った慎太郎さんは2日後に亡くなりました。

死後約1ヵ月経って「王政復古の大号令」が発せられ、翌・慶応4年1月3日(1868年1月27日)から「戊辰戦争」が始まりました。
この戦いで、慎太郎さんが結び付けた薩摩藩と長州藩を中心とした新政府軍によって、本意であった武力倒幕が成し遂げられたのでした!

文字通り“日本の歴史を動かした”、熱き倒幕のキューピット役のお話でした。



wrigting by 歴史芸人 / 長谷川ヨシテル