「向島・本所 〜勝海舟の修業時代〜」
【2014年7月作成】


こんにちは!黒船社中デザイナーのエビハラクミです。

「東京・幕末ゆるぶらさんぽ」ということで、幕末の志士たちや幕末に起きた出来事にゆかりのある場所をゆる〜くぶらりとさんぽしながら巡ってレポして参ります!

今回のお題は・・・


「向島・本所 〜勝海舟の修業時代〜」


勝海舟と言えば、やはり江戸城無血開城のイメージが強いかと思いますが、そんな大仕事を飄々と成し遂げてしまった彼は、きっと肝の据わり方がハンパない人物だったんだろうと思います。

そんな「大人物」勝海舟のルーツを探って、今回は彼が若かりし日々を過ごした隅田川周辺の向島・本所あたりをぶらり散歩してみました。


地元のヒーロー・勝海舟

さてさて、実はわたくし幕末で一番好きな人物が勝海舟で、「勝海舟の会」の会員にもなっているくらい勝さんを尊敬しているのですが、ちょうどこの日は墨田区役所で「勝海舟フォーラム2014」が開催されるということで、まずはフォーラムに参加して、その後周辺をぶらりすることにしました!

フォーラムの内容は、海舟玄孫の高山みな子氏の講演と、海舟主演映画!「幕末高校生」の監督さん×高山みな子氏の対談でした。



*勝海舟フォーラムの様子*


高山さんのお話はいつも面白くて、そんなことがあったんだ〜!と海舟について知ることができるので楽しい♪

広い会場でしたがすごくたくさんの人が集まっていて、やっぱり海舟は地元墨田区のヒーローなんだな〜と思いました。

さて、フォーラムが終了したら墨田区役所前にある勝海舟像の前からぶらりさんぽスタートです!



*キャプテン小日向と「コレデオシマイ」Tシャツで!海舟の指先は遥か太平洋へ向けられています*



剣の修行 牛嶋神社

墨田区役所前の勝海舟像から隅田川沿いを少し上流に行くと隅田公園があります。

ここは昔は水戸藩の下屋敷だった場所で、小梅御殿と呼ばれていたくらい梅の名所なんだそう。

この隅田公園の中に勝海舟ゆかりの牛嶋神社があります。



*二つ合体したような(?)変わったかたちの牛嶋神社の鳥居 with キャプテン小日向*


海舟(当時は勝麟太郎)が10代後半の頃、この牛嶋神社の境内で剣の稽古をしていました。

『氷川清話』(晩年の海舟にインタビューした記事をまとめたもの)の中で海舟は「毎日王子権現にいって夜稽古をした」と語っています。

牛嶋神社は別名・牛の御前王子権現と呼ばれていたそうです。


その頃海舟は浅草新堀の島田虎之介の道場に寄宿して剣の修行をしていましたが、毎日島田道場での稽古が終わった後、夕方から王子権現に行って夜稽古をしていたとのこと。

いわゆる自主練ですね。

まずは石の上で瞑想して心を錬磨し、その後木剣を振って稽古する、というのを夜明けまで5・6回繰り返し、朝になると島田道場に帰って朝稽古をし、また夕方になると王子権現で自主練…

というのを一日も休まず続けた、と書かれていますが、いったいいつ寝てたんだろ?笑

でもこの修行のおかげで心身ともに鍛えられたことは間違いなさそうですね。


ちなみに現在はこの隅田公園内にありますが、古地図を見ると当時はもう少し上流の弘福寺の横に描かれています。

以前はその場所にあったのですが、関東大震災の際に焼失し、その後隅田公園内に移転したそうです。

現在は隅田川沿いに墨堤常夜燈だけが残されています。



*牛嶋神社の「撫で牛」*


自分の体の悪い部分と同じところを撫でると良くなるという「撫で牛」

牛嶋神社に行ったらぜひ撫でときましょう。

私も朝までおなかが痛かったんですが気づけば治ってました♪



禅の修行 弘福寺

さて、海舟が剣の修行をしていた牛嶋神社を出て、今度は禅の修行をしていた弘福寺へ向かいます。

そう、先ほど古地図で牛嶋神社と並んで描かれていたという弘福寺です!

現在の牛嶋神社と弘福寺は徒歩10分くらい離れていますが、実際のところ当時はお隣さんだったんですね!



*弘福寺山門 with キャプテン小日向*


島田道場での修行の傍ら牛嶋神社(王子権現)で剣の自主練をして鍛えていた海舟ですが、『氷川清話』によると、ある時師匠の島田虎之介に剣の奥意を極めるには禅を始めよと勧められたので、19か20の時に牛島の弘福寺に行って禅を始めたと書かれています。

お寺の方にお話を聞いたところ、弘福寺で禅の修行をした人は全て台帳に名前を記してあるので、本来なら勝海舟の名前も残っているはずなんですが、関東大震災でその台帳は焼失してしまったため残念ながら記録としては何も残っておらず、『氷川清話』の中で海舟本人が語っていることでしかその様子を伺い知ることはできないとのことでした。

海舟は島田道場に住み込みで剣術の修行しつつ、牛嶋神社での夜稽古や弘福寺での座禅修行について、「こうして4年間、真面目に修行した。この座禅と剣術がおれの土台となって後年大層ためになった。」と語っています。

幕末の動乱の中、自分の信念をしっかり持って、権力にも屈せず、自分が正しいと思った道を堂々と進んだ海舟の精神力の源は、若い頃の厳しい修行の賜物だったんですね。



*残念ながら本堂は来年まで改修工事中でした*


*取り替え中の瓦。「福」がいっぱい!*



麟太郎、生死の境をさまよう

牛嶋神社→弘福寺と海舟の修業時代の軌跡を辿ってきましたが、ちょっと時間を巻き戻して、海舟子供の頃の大事件について。

海舟が9歳の頃、剣術の稽古からの帰り道、野良犬に急所を噛まれて生死の境をさまよった、というのは有名な話ですが、その時父・小吉が毎日願掛けに通ったお寺が現在もあります。

本所にある妙見山別院(能勢妙見堂)です。

弘福寺から南に30分程歩いたあたりにあります。



*入り口には「勝海舟敬拝 北辰妙見大菩薩安置」の文字が*


北辰とは北極星のことで、妙見大菩薩は星の動きを支配して運気を好転させてくれる北極星の神様です。

小吉は毎日ここに通って麟太郎の回復を願っていました。

その甲斐あって、一時は危篤に陥った海舟ですが、約70日後ようやく回復したそうです。




*こぢんまりとした境内ですが樹木が多くいい雰囲気*



*境内にある勝海舟胸像*


墨田区役所前の像はバリバリ活躍してた頃の姿ですが、こちらはフロックコートを着た晩年の海舟翁です。



勝海舟 生誕の地

せっかく本所まで着たので最後はもう少し足を伸ばして両国にある勝海舟生誕の地へ。

JR両国駅からほど近い両国公園内に碑があります。

ここは海舟の父・小吉の実家である男谷家があった場所で、海舟は1823年1月30日にここで生まれました。

海舟は従兄に当たる直心影流の剣聖・男谷精一郎に幼い頃から剣術を習い、後に島田虎之介に師事したことで剣術を極めていったのでした。



*両国公園の片隅にひっそりと碑が建っています*



ということで、

ということで、今回は勝海舟の誕生〜修業時代を過ごした向島・本所近辺をぶらりしてきました。

青年時代の剣術と座禅の厳しい修行で培われた肉体的・精神的強さと、江戸っ子ならではの人情味あふれる人柄が海舟の魅力だと思うのですが、この江戸の下町に育ったからこそ海舟のそんな人間性が出来上がったんだな〜、としみじみと感じました。


最後に、甘いモノ

最後に、甘いモノに目がないわたくしが見逃せない、向島近辺のオススメの甘味をご紹介☆



*弘福寺近くの老舗「言問団子」*

ころんとかわいい小倉、白あん、みその3種類のおだんご。

江戸時代末期の創業ということなので、甘味好きの勝海舟も食べたかもしれませんw



*店内には喫茶コーナーもあって休憩もできますよ*



*こちらも弘福寺近くの「カド」*

キャプテン小日向おすすめのレトロで不思議な喫茶店!

活性生ジュースなど、健康的なフレッシュジュースがいろいろあります。

(写真撮るの忘れた!)

歩き疲れた体をフレッシュなフルーツジュースが癒してくれます♪

名物マスターがいますよ!w



*長命寺桜もち*

享保二年(1717年)創業、昔から超有名店だったようで古地図にも名物として載っています!
これは絶対海舟も食べたはず!
でも残念ながらこの日は定休日で食すことができず…

無念!


以上、東京・幕末ゆるぶらさんぽ「向島・本所 〜勝海舟の修業時代〜」の巻でした!




〜ゆるぶらざっくりマップ〜





●勝海舟像(墨田区役所) http://www.city.sumida.lg.jp/matizukuri/matizukuri_suisin/keikan_matizukuri/monument/katukaisyuu_monument.html

●牛嶋神社 http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/syoukai/13_sumida/13001.html

●弘福寺 http://ja.wikipedia.org/wiki/弘福寺

●妙見山別院 http://www.myoken.org/tokyobetsuin.html

●言問団子 http://kototoidango.co.jp

●カド(喫茶店) http://tabelog.com/tokyo/A1312/A131203/13019592/

●長命寺桜もち http://sakura-mochi.com


〜東京勝海舟マップ〜
https://maps.google.com/maps/ms?msid=206098105244522558892.000500e8b814839e2a4ea&msa=0


〜今回の史跡巡りがより楽しくなる勝海舟アイテム〜
  • 勝海舟「コレデオシマイ」Tシャツ


  • 2014年7月作成

    wrigting by
    デザイナー / エビハラ クミ


    東京・幕末ゆるぶらさんぽ一覧

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